根付

●根付について

 

根付は着物の帯に印籠や巾着、煙草入れなどを
吊るして携帯するための滑り止めです。
根付と印籠などを紐で結んで使用していました。

 

紐通しの穴があり、3~4cm程度大きさのものが
標準とされ
実用に適した重さと耐久性が求められていました。

 

江戸時代に発明され、文化の発展とともに多様な根付が生まれました。
文明開化により人々に洋装が広まって以降は、
根付が身につけられる機会は少なくなってしまいましたが
日本文化に目をつけた欧米の商人によって海外へ渡り、
東洋の精緻な工芸品として今なおコレクターの人気を集めています。

 

●実用性と芸術性

 

一般庶民の生活上の必需品でもありましたが、
裕福な特権階級に普及していくうちに素材に贅をこらし、
当世一の細密彫刻の腕を見せる美術品にまで発達していきました。

 

大量に生産された根付は庶民向けの実用性を優先した簡単なものから、
大名や豪商といった上流階級に納める高級根付まで
様々なものが製作されていました。

 

一般的な根付は木や陶器、漆塗りのものや石、動物の角や牙など
身近に手に入る素材で作られ、
高級品になると金や銀などの貴金属、宝石や鼈甲、
そして珊瑚などの貴重な素材が使われています。

●根付の種類

 

<形彫根付>
形彫根付(かたほりねつけ)は根付の中で最もポピュラーなもので、
ミニチュアのように全方面を彫り込んでいます。
動物や人物などを題材にしたものが多く、
どこから眺めても楽しむことができます。

 

<饅頭根付>
饅頭のような形の根付を饅頭根付(まんじゅうねつけ)と呼びます。
表面に豪華な彫刻を施し、紐を中央部に通す造りとなっています。
形がシンプルで大量生産しやすく、
形彫根付とともに定番的な根付の一つでした。

 

<柳左根付> 
柳左根付(りゅうさねつけ)は饅頭根付の中心部分を
透かし彫りにした中空構造の根付です。
18世紀後期に発案され、創始者の名前から
この名前が付いていると言われています。
耐久性を保ちつつ花や鳥などを彫り込むのは
熟練した職人技のなせる仕事です。

 

<鏡蓋根付>
象牙で作った皿上の上に銅や赤銅、銀などの彫金細工の
プレートを嵌め込んだ根付で、金属プレートが
手鏡に似ていることから鏡蓋根付
(かがみぶたねつけ)と呼ばれています。

 

皿台は象牙のほか黒檀や紫檀などで作られ、
鏡蓋には多様な題材のレリーフが施されています。

 

<差根付> <長根付> 
差根付(さしねつけ)や長根付(ながねつけ)は帯の帯に差して
提げ物をぶら下げるタイプの根付です。
長さは10cm~15cm程度になります。

 

紐通し穴の位置は必然的に背面の上か下部分になり、
モチーフは魚や人の立姿など細長い形のものが多いです。

 

<その他>
般若、能面、おかめ、鬼、七福神などの面を
根付の大きさに仕立てた<面根付>や、
石、木片、珊瑚などの自然物をそのまま用いたもの、
中国から伝わった印鈕(いんちゅう)を転用したものなど
様々な種類の根付があります。

●赤珊瑚の根付

 

江戸時代には赤珊瑚は赤玉とよばれ、町民にとって
珊瑚を身につけることはステイタスの表れでした。

 

赤珊瑚の根付もまた高級品の部類に当てはまり、
小さいながらも緻密な彫刻の施された根付が帯を飾りました。
この江戸時代の職人技は見事なもので、今の職人が当時の
技術を再現することはひじょうに難しいとされています。

 

古くからの赤珊瑚をしまっている家は多くありますが、
ご自宅で見かけましたら、一度鑑定をお願いすることをお勧めします。

 

●現在の赤珊瑚の人気

 

赤珊瑚のアクセサリーは素材の希少性と加工技術の難しさから
以前から高価格で取引されてきました。

 

昨今でも採取量の規制やアジア方面での需要の拡大から
新品の赤珊瑚はもちろん、ヴィンテージ物は更に価値が上がり続けています。

 

日本や中国のほかにヨーロッパでも赤珊瑚のジュエリーが人気だったこともあり
細工の見事なものや大きな赤珊瑚を使った高品質の宝飾品が多く作られています。

 

しかし、赤珊瑚のデリケートな性質上、現在もその価値を
保っているものはごく僅かです。

 

もし箪笥の中で眠ったままの赤珊瑚をお持ちでしたら
保存状態を見直すなどして大切に扱うことをおすすめします。

 

●赤珊瑚の鑑定は専門の買取業者へ

 

需要が急上昇している現在、赤珊瑚の売却を考えている方には
今が最大の売り時と言っても過言ではありません。

 

赤珊瑚自体の査定基準は 色・大きさ・付属品 の3点です。
色の基準は査定した時期の流行りに左右されるので、
赤珊瑚の購入した当時以上の評価額で買取してもらえた事例も沢山あります。

 

現在の一番人気は「血赤珊瑚」や「オックスブラッド」といった濃い赤色のもの。
ワインレッドや真紅色のような赤味が強いほど価値があがります。

 

赤珊瑚の色や形のほかにケースや保証書、産地証明書などが付属されていれば、
買取価格は大きく変わります。
日本産、とくに高知県産の赤珊瑚は一段と高く評価されますので、
赤珊瑚をご自宅で見つけた際は、ぜひ産地をご確認ください。

 

さくら鑑定では宝石珊瑚の買取に力を入れており、
とくに赤珊瑚の査定には高評価をいただいております。

 

宅配サービスを利用して全国各地からご依頼いただいた
宝石珊瑚を専門知識の豊富なスタッフが鑑定し、
適切な評価額をもって買い取らせていただきます。

 

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