帯留め

●帯留めについて

 

帯留は着物の帯締に通して使う和装用の小物です。
今から約210年ほど前の江戸時代後期に使われ始めました。

 

始めは男性用の装身具の留め金だったものが女性へ広まり、18世紀の終わり頃になると、
現在よく見る女性の着物の帯を飾る装飾品として使われるようになりました。

 

帯留の重要性が高まったきっかけが、文明開化による洋装の普及です。

 

欧米から持ち込まれた洋装文化に和服で対応しとうとした際に、問題となったのが
「公的な場では婦人は格式あるアクセサリーを着用する」という西洋圏のマナーでした。

 

もともと、和服は着物の柄が装飾品の役割をしているので、
帯周りや髪飾り以外の装飾品をつける必要がありません。
しかし、西洋圏に合わせて国際的な場所で着物を着る際には
イヤリングやネックレスに相当するアクセサリーが必要です。

 

そこで注目されたのが帯留でした。
体の中心を締める帯を飾る帯留は、西洋のドレスを彩る

ネックレスに相当する装飾品として重要性を高めていきました。

 

現在では、フォーマルな場所はもちろん普段使いの和服に付ける
アクセサリーとして帯留は定着しています。
観劇や同窓会、お友達との集まりなど日常的な場面であれば
大抵の場所につけて行って問題はありません。

●帯留の注意点

 

帯留にもTPOがあり、宝石や貴金属類のものは
格式高い場所への出席の際に着用しても問題ありません。
しかし、硝子やプラスチック、木製などカジュアルな印象の強い

帯留はパーティーや店の雰囲気によっては控えた方が良い場合もあります。

 

また、地域によっては結婚式に親族側として出席する際は
帯留を控える所もあるようなので、事前にに確認を取ることをおすすめします。

 

さらに、着物の上に羽織を着るときにも羽織り紐の留め具と帯留がぶつかり、
両方に傷がつく場合もあるため注意が必要です。

●帯留の種類 素材

 

<宝石、貴金属類>
宝石をちりばめた帯留は、圧倒的な存在感を放ちます。
宝石のついたブローチを帯留にする方もいらっしゃいます。
格式ある場所でも上品な輝きを放ち、宴席を華やかに彩ります。

 

<硝子>
硝子でできた帯留は、見た目も涼やかで夏の着物姿にぴったりです。
身内でのお茶会などにはもちろん観劇など特別な場面でも
身に着けた方の繊細さが気取ることなく引き出せます。

 

<陶器>
土でできた陶製の帯留には他の素材にはない柔らかさや暖かさがあります。
丈夫で手入れの手間もかからず、年中を通して普段使いできるため
大変便利です。

 

●赤珊瑚の帯留

 

赤珊瑚の帯留は、パールや宝石などと同様に高級品に数えられ、
ゲストとして招かれた際の礼装にぴったりです。
吉祥文様を表した赤珊瑚の帯留は、とくにお祝いの席に

ふさわしく喜ばれます。

 

蒔絵や彫金のアクセントとしてはめ込まれていたり、
彫りを入れて花の形に加工されているものがほとんどです。

 

独特の艶のある赤色は着物を上品に引き立て、
薄い色、小紋など細かい柄物の着物には全体を引き締めるアクセントになります。
赤系の着物と合わせると着物を引き立て、
黒地の着物に合わせれば結婚式などの改まった席でも
ごく自然に上品な印象をかもしだすことができます。

 

●現在の市場価値

 

赤珊瑚の帯留は大変貴重です。

 

というのも、近年、赤珊瑚自体の価値が急激に高まっており、
環境保護のための採取規制や元々需要の高い
アジア圏でのさらなる人気上昇などから
天然の赤珊瑚の売却価格は上がり続けています。

 

加えて、赤珊瑚を帯留に加工できる職人が
僅かしかいないことも流通の制限に拍車をかけています。

 

珊瑚は鉱物を磨いてできる宝石と違い、石灰質でできている生き物です。
人の汗がかかるだけで色が抜けてしまうため、加工中の扱いには

経験と繊細さが求められます。

 

赤珊瑚を扱う知識や細工の技能が職人の継承者不足でほとんど途絶えており、
赤珊瑚を加工して作られた工芸品はひじょうに貴重です。

 

●赤珊瑚の手入れ

 

赤珊瑚はアルカリ性の石灰質でできています。
そのため、人間の汗やプールの塩素といった酸性に弱いです。
酸性の物質に触れたまま放置すると、表面が溶け色味が抜けてしまいます。

 

また、人の歯と同じくらいの硬さですので
鉱物からできた宝石よりも繊細で傷つきやすいです。

 

赤珊瑚を保管する際には、

 

①酸性の液体に近づけない
②着用後は柔らかい布で優しく拭き、密閉できる容れ物で保管する
③傷つきやすいため、他の宝石等と分けて保管する

 

といった点に注意が必要です。

 

●買取ポイント

 

赤珊瑚自体の査定基準は、 色・大きさ・付属品 の3点です。
色の基準は査定した時期の流行りに左右されるので、
赤珊瑚の購入した当時以上の評価額で買取してもらえた事例も沢山あります。

 

現在の一番人気は、「血赤珊瑚」や「オックスブラッド」と呼ばれる濃い赤色のもの。
ワインレッドや真紅色のような赤味が強いほど価値があがります。

 

赤珊瑚の色や形のほかにケースや保証書、産地証明書などが付属されていれば、
買取価格は大きく変わります。
日本産、とくに高知県産の赤珊瑚は一段と高く評価されますので、
赤珊瑚をご自宅で見つけた際は、ぜひ産地をご確認ください。

 

●赤珊瑚の買取はさくら鑑定へ

 

さくら鑑定では宝石珊瑚の買取に力を入れており、
とくに赤珊瑚の査定には高評価をいただいております。
宅配サービスを利用して全国各地からご依頼いただいた
宝石珊瑚を専門知識の豊富なスタッフが鑑定し、
適切な評価額をもって買い取らせていただきます。

 

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