ピアス

●ピアスの変遷

 

ピアスの存在は紀元前、古代エジプトやペルシアの時代まで遡ることができます。
当時は宝飾品ではなく、魔除けや成人の証などの意味を込めて身につけられていました。

 

17世紀からイヤリングが発明されると、
富裕層の間で衛生的な問題から耳に穴を開けることに抵抗感が生まれ、

ピアスの人気は身を潜めました。

 

その後、アメリカでブラックカルチャーのブームが起こり
ピアス人気は再燃、今日に至ります。

 

日本では弥生時代くらいの古代にピアスが用いられていましたが、
宮廷文化が広まった頃から鳴りを潜め、幕末・明治の
文明開化で持ち込まれた洋装とともに再び普及しました。

 

●赤珊瑚のピアス、イヤリング

 

赤珊瑚をはじめとする宝石珊瑚は、古代ローマの時代から
ヨーロッパで高い人気を誇っていました。

 

地中海沿岸で採取された赤珊瑚は東西に
交易品として出荷され、世界各地で珍重されていました。

 

赤珊瑚の発色の強い赤色は女性の肌を若々しく見せる効果があると言われ、
流行の変遷とともに様々な色の宝石珊瑚が愛用されました。

 

とくにヴィクトリアンスタイルとアールヌーボーの流行った時期には
「ポーダンジュ」と呼ばれる色味の薄い珊瑚が人気となりました。

 

ポーダンジュは「エンジェルスキン」とも呼ばれ、
サーモンピンクやオレンジピンクに色づいたものを指しています。

●ヨーロッパの流行り

 

現存する赤珊瑚を用いたピアスやイヤリングは、
18世紀に作られたものが多いです。

 

<ヴィクトリアンスタイル>
18世紀後半、ヴィクトリア女王の60年に渡る
在位期間にイギリスから始まった様式です。

 

植物モチーフの流行や東洋趣味など、
様々なテイストのピアスやイヤリングが生まれました。

 

ヴィクトリア女王の伴侶アルバート公が逝去されて
からは喪服調の服に合わせる
モーニングジュエリーが生まれました。

 

<エンパイアスタイル>
フランス革命が終わった直後には、それまでの華美なドレスに変わり
古代ギリシャやローマ風のウエストを高い位置で切り替えた
裾の長いドレスが流行りました。

 

ドレスと同様にアクセサリーも古代の様式を
模したものが好まれ、腕の立つ職人がこぞって
遺跡から発掘された装飾品を模倣しました。

 

<ロマンティックスタイル>
懐古主義が落ち着くと、ルネサンス期の服装を
参考にしたファッションが流行り、羊の足のように膨らんだ
袖や、大きく広がったスカートが主役となります。

 

服の色合いや柄がファッションの主役となり、
耳飾りは小ぶりでささやかなものが好まれました。

 

<アールヌーボー>
1890年代から流行り始めた、
自然の草花や昆虫などをモチーフに流線型を多用した様式です。
流行の背景には日本の浮世絵の影響が大きいとされています。

 

ピアス類はゴールドを使った草花モチーフのものが好まれ、
女性の顔を明るく華やかに見せていました。

●アンティークジュエリーの魅力

 

現在でも、18世紀当時に作られた赤珊瑚のジュエリーは
アンティークやビンテージ品として人気が高いです。

 

アンティークジュエリーとしての希少価値に加えて
赤珊瑚の素材としての価値がかかります。

 

赤珊瑚の市場価値は近年とくに上昇が激しく、買取市場でも熱い案件です。
お手元に赤珊瑚をお持ちの方は、大切になさることをおすすめ致します。

 

●お手入れの注意点

 

赤珊瑚は主な成分が炭酸カルシウムのため、
人間の汗やプールの塩素といった酸性に弱いです。

 

空気に晒しているだけでも劣化するため、着用後に柔らかい布で優しく拭い、
密閉できる容器に入れて保存できると赤珊瑚の美しさを保つことができます。

 

また、人の歯と同じくらいの硬さですので
鉱物からできた宝石よりも傷つきやすいです。

 

このため、赤珊瑚を大切にするためには

 

①酸性の液体に近づけない
②着用後は柔らかい布で優しく拭き、密閉できる容れ物で保管する
③傷つきやすいため、他の宝石等と分けて保管する

 

といった点に注意が必要です。

 

●赤珊瑚の買取について

 

保管が難しかったり、使うことの無い赤珊瑚を
お持ちの方がいらっしゃると思います。

 

そういった方々には赤珊瑚を手放すことも
貴重な財産を活用する一つの方法としておすすめします。

 

近年、赤珊瑚の価値は急激に高まっています。
環境保護のための採取規制や、
元々需要の高いアジア圏での人気の上昇などから
天然の赤珊瑚の売却価格は上がり続けています。

 

赤珊瑚を手放すなら、今が最大のチャンスです。

 

 

●鑑定は専門の買取業者へ

 

赤珊瑚自体の査定基準は、 色・大きさ・付属品 の3点です。
色の基準は査定した時期の流行りに左右されるので、
赤珊瑚の購入した当時以上の評価額で買取してもらえた事例も沢山あります。

 

現在の一番人気は、「血赤珊瑚」や「オックスブラッド」と呼ばれる濃い赤色のもの。
ワインレッドや真紅色のような赤味が強いほど価値があがります。

 

赤珊瑚の色や形のほかにケースや保証書、産地証明書などが付属されていれば、
買取価格は大きく変わります。
日本産、とくに高知県産の赤珊瑚は一段と高く評価されますので、
赤珊瑚をご自宅で見つけた際は、ぜひ産地をご確認ください。

 

さくら鑑定では宝石珊瑚の買取に力を入れており、
とくに赤珊瑚の査定には高評価をいただいております。
宅配サービスを利用して全国各地からご依頼いただいた
宝石珊瑚を専門知識の豊富なスタッフが鑑定し、
適切な評価額をもって買い取らせていただきます。

 

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