高知産

 

~高知県産赤珊瑚の魅力~

宝石業界で現在とくに注目されている赤珊瑚。

近年の規制や国際状況から需要が更に高まり、

市場価格の上昇は留まることを知りません。

その赤珊瑚の中でもとりわけ人気なのが、高知県産の赤珊瑚です。

人気の秘密を、珊瑚の生態などもふまえてご説明します。

●日本の赤珊瑚の歴史

古来より日本や中国では、赤珊瑚は

ヒスイや真珠とともに福を呼ぶお守りとして扱われていました。

日本近海に赤珊瑚が生息していることは知られておらず、

海外から輸入される赤珊瑚を国内で装飾品に加工していました。

しかし、18世紀初頭の江戸時代末期に

高知県沖で赤珊瑚の採取地が発見されると、

日本の赤珊瑚の品質の高さに驚いたヨーロッパの商人が

こぞって買い求めるようになりました。

黒潮がもたらした理想的な生息環境

なぜ、高知県産の赤珊瑚は高品質なのでしょうか。

それは赤珊瑚を育てる環境に理由があります。

珊瑚が生息できる環境の条件は、冬季の月間平均水温が

18℃前後であることだと言われています。

日本の周辺海域でこの条件に当てはまるのは、

四国の足摺岬周辺から沖縄県までの太平洋沿岸、

長崎県から鹿児島県にかけての日本海沿岸、小笠原諸島近辺などです。

この日本の赤珊瑚が採れる海域の中でも、

高知県沖は黒潮の流れが変わる特殊な海域となっています。

フィリピン東海岸から始まる黒潮は、世界最大の暖流です。

海流の幅は100km にも及び、毎秒 5,000 t もの海水が流れています。

大量の海水がとてつもない勢いで方向転換するために、

四国近海の海底では複雑な水の流れが生まれます。

この水流によって、海底付近の深層水と

四国の山林から流れてきた川の水が混ぜ合わされることで、

高知県沖の海水はひじょうに養分の多い、

赤珊瑚の生育にとってこれ以上ない快適な環境となっています。

世界的にみても、高知県沖のような珊瑚にとって理想的な生息地はありません。

かつては地中海も環境に恵まれた赤珊瑚の一大産地でしたが、

乱獲が進んで今の産出量は他の産地と比べても微々たるものです。

また、日本近海に生息する珊瑚とは種類が異なるため、

地中海の珊瑚には高知県産の赤珊瑚のような

濃密で鮮やかな色味を持つものは極めて少ないです。

ビンテージ品の再評価

赤珊瑚の需要とは反対に、環境保護のための採取量規制などにより

市場への供給量は縮小しています。

こうした傾向の中で注目されているのが、ビンテージ品の赤珊瑚です。

古い時代の赤珊瑚のほうが大ぶりで濃い色味のものが多く見うけられ、

思いのほか高い金額で買い取ってもらえた場合がしばしばあります。

赤珊瑚を彩る土台や地金の細工にも当時の技術や美意識が詰まっており、

これもまた高く査定できるポイントの一つとなっています。

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