●珊瑚の形状について

 

宝石として市場で取り扱われる赤珊瑚の多くは丸玉やオーバル、
ドロップなど形の整った状態で私達の手元に届きます。
しかし、これは赤珊瑚の本来の形ではありません。

 

赤珊瑚はもともと枝状の形をしており
市場に出ている赤珊瑚は採取後に削って成形されています。
このため、私達が普段目にしている赤珊瑚は本来の大きさの
半分にも満たない小さなものなのです。
そして、枝状の形を残している赤珊瑚こそが元々の大きさを
残したまま輝きを放っている、赤珊瑚の原型に最も近い代物です。

 

●枝状の赤珊瑚の加工

 

採取した直後の赤珊瑚は、表面が膜に覆われています。
この膜を剥がして輝きを出すために研磨が必要です。

 

研磨にはサンドペーパーと電気工具を使って人の手で磨く方法と、
専用の研磨機を使う方法があります。
人の手を使う方がより丁寧な研磨ができますが、大変な時間と
労力がかかります。大量の赤珊瑚を研磨する場合は
研磨機を使う方が一般的のようです。

 

 

●研磨機での加工について

 

研磨機には赤珊瑚とともに日本瓦を砕いたものと水を入れます。
そして研磨機を8〜10時間動かし、研磨が終われば珊瑚を水で洗います。
この段階ではまだ「荒磨き」の状態なので、
水洗いした珊瑚を今度は欠片状の小さな珊瑚と一緒に研磨機に入れ、
再び4時間ほど研磨します。
こうして二回の研磨を施した赤珊瑚は人々を魅了してやまない
独特の色合いを放ち、さらに成形や加工を施され宝石へと変身してゆきます。

 

●成長する宝石

 

赤珊瑚の他にも生物由来の宝石はいくつかあります。

 

鼈甲(べっこう)
ウミガメの一種であるタイマイの甲羅を加工し、
装飾品に利用した工芸品の事です。

 

独特の奥深さのある飴色の輝きや、天然素材ならではの
艶のある光沢感が魅力を放ち、古来より珍重されてきました。

 

真珠(パール)
真珠は生きた貝がその体内につくる宝石の一種です。生体が生成する
鉱物なので、「生体鉱物」(バイオミネラル)とも呼ばれます。
真珠の歴史は古く、世界各地の古い記録に記述が残っています。
中でも日本では古事記や日本書紀、かの万葉集にもその記述が見られ、
また中国から見た当時の日本との交流が記されている
『魏志倭人伝』にも邪馬台国の台与が曹魏に白珠(真珠)を
5000個も送ったことが述べられています。

 

貝殻(シェル)
貝殻は、貝の外套膜(がいとうまく)の外面に形成される
生体鉱物の一種です。炭酸カルシウムの結晶とタンパク質を
主とする成分から構成されています。
独特の光彩と光沢があり、カメオなどの装飾品に
加工されることが多いです。

 

上記の生物由来の宝石の中でも一定の形を持たずに
成長し続けるものは宝石珊瑚をおいて二つとありません。
宝石の中で枝状に成長するのは珊瑚だけなのです。

 

●枝状の赤珊瑚の用途

 

枝状の形を残した赤珊瑚は様々な装飾品に用いられます。
太めの枝を繋げたネックレスは、丸玉ネックレスとは
違った上品さがあり、より小さな枝を繋げたネックレスとなると
エスニックな印象が強くなります。

 

特徴的な枝の珊瑚をペンダントトップに仕立てれば、
一つ一つ形が違う、面と裏で異なる表情
の世界に一つだけのアクセサリーになります。

 

また枝振りの見事な大きな赤珊瑚は鑑賞用の置物や彫刻の素材になります。
鑑賞用の珊瑚は大変珍しく、縁起物としてひじょうに価値が高いです。
近年では、とくに中国・アジア圏の方々に需要が大きいです。

 

 

●赤珊瑚について

 

赤珊瑚をはじめ宝石珊瑚は人の歯や大理石と同じ硬度で
加工しやすい反面、人の汗や体温に弱く加工技術のほかに
丁寧な扱いが求められることが大きな特徴です。

 

珊瑚に細工ができる職人は減少しつつあり、
赤珊瑚そのものも採取量が減ってきていることも
市場への流通量が少なくなっている原因でもあります。

 

この一方でアジア方面での需要は拡大を続けており
需要過多・供給過小の状況から赤珊瑚の市場価格は
留まるところを知らないまま上がり続けています。

 

こうした状況の中、注目されているのが中古品の赤珊瑚です。
数十年前に手に入れた赤珊瑚が、購入時には予想もつかなかった
高値で取引されたケースは、ここ数年で頻繁に発生しています。

 

もし箪笥の中で眠ったままの赤珊瑚をお持ちでしたら、
今一度その価値を鑑定してもらうことをおすすめします。

 

●赤珊瑚の鑑定は専門の買取業者へ

 

需要が急上昇している現在、赤珊瑚の売却を考えている方には
今が最大の売り時と言っても過言ではありません。

 

赤珊瑚自体の査定基準は 色・大きさ・付属品 の3点です。
色の基準は査定した時期の流行りに左右されるので、
赤珊瑚の購入した当時以上の評価額で買取してもらえた事例も沢山あります。

 

現在の一番人気は「血赤珊瑚」や「オックスブラッド」と呼ばれる濃い赤色のもの。
ワインレッドや真紅色のような赤味が強いほど価値があがります。

 

赤珊瑚の色や形のほかにケースや保証書、産地証明書などが付属されていれば、
買取価格は大きく変わります。
日本産、とくに高知県産の赤珊瑚は一段と高く評価されますので、
赤珊瑚をご自宅で見つけた際は、ぜひ産地をご確認ください。

 

さくら鑑定では宝石珊瑚の買取に力を入れており、
とくに赤珊瑚の査定には高評価をいただいております。

 

宅配サービスを利用して全国各地からご依頼いただいた
宝石珊瑚を専門知識の豊富なスタッフが鑑定し、
適切な評価額をもって買い取らせていただきます。

 

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